2020.01.14『How the U.S. and Japan can work together on China issues?』
Mr. Michael F Cavanaugh, Acting Minister Counselor Economic Affairs
1月フォーラム開催。今回は、アメリカ大使館経済担当公使のマイケル・キャバノー氏にアメリカ、日本が現在急速に成長している中国とどのように関わっていくか、政治、経済、社会面などについて解説していただきました。3 カ国の関係から、外交官という仕事、講師が以前赴任されていた台湾、エジプト、ベトナムについてなど多くのことを説明してくださいました。また,「就職(赴任)するならアメリカか?中国か?」というテーマについて討論も行いました。
マイケル・キャバノー氏
略歴
日本のアメリカ大使館経済担当公使。来日される前は台湾、タイ、ベトナム、ワシントン D.C.,エジプトに赴任されていた。
内容紹介
まず始めにキャバノー氏は中国に焦点を当ててお話くださいました。30 年ほどで急速に成長してきた中国は資源など様々な面、特に人口に恵まれたことで成功しました。しかし、中国より先に発展した日本とアメリカの課題として少子高齢化による GDP の低下、インフラストラクチャーが老朽化しきていること、ホームレスの人々が多く存在することがあります。この課題を回避するためにも、中国は新たな先進国としてのモデルを持つ必要があります。
次に、成長する中国に対して日本がどのように関わっていくかについてもご教授くださいました。発展途上国から GDP を伸ばし、力をつけてきた中国に対して、日本は中国の考え方を理解し、中国含め他国と協力体制を気づいていくべきです。また、経済面で中国に匹敵するために、日本は人口を増やし、若い人たちを増やしていかなければいけません。何故ならば歳を重ねるにつれて保守的になりやすく、新しく学ぶことや生み出すことが難しくなり、若い人が多くの学びの中から新しいことを生むことができるからです。そのために日本は少子高齢化問題を改善しなければいけません。また、将来の経済の展望についてのお話も頂戴しました。AI やバイオテクノロジーなど新たな技術が発展してきている現在、国々が協力してこれらのルールを新しく作り、基準を設けていかなければいけません。また日本はアメリカとの強い関係を当たり前のものと捉えるのではなく、関係を大切にしつつ、上手に生かしていく必要があります。
以上のことを踏まえ、「経済規模の大きい中国とアメリカのどちらで働きたいか」について討論しました。多くの人が経済的な安定性や、家族と移住した場合の教育環境、言語の通じやすさからアメリカを選びました。しかし職種によってはファーウェイなどの情報技術や衣料品関係の会社は中国の方が技術を持っている、また人口の多さゆえに得られるデータが多いという点から中国に魅力を感じる人もいました。
キャバノー氏はご自身の仕事の観点から日本、中国、アメリカの関係性について説明してくださり、今後の進路や日本の課題について考える貴重な機会となりました。最後になりますが、お忙しい中私たちのために時間を割いてくださり、ありがとうございました。
(東京大学教養学部文科三類 1 年 藤本 怜 )