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2019.10.26『「働く」ことについて本当に大切なこと』
株式会社 リクルートマネジメントソリューションズ 組織行動研究所 古野庸一様

10月フォーラム開催。今回は株式会社リクルートでキャリア開発事業に従事されている古野庸一氏をお招きし、「「働く」ことについて本当に大切なこと」をテーマにお話ししていただきました。話題は「理想的な働き方」から「幸福論」にまで及び、議論は大変白熱しました。

古野 庸一氏

略歴

1987年東京大学工学部卒業後、株式会社リクルートに入社。南カリフォルニア大学でMBA取得。キャリア開発に関する事業開発、NPOキャリアカウンセリング協会設立に参画する一方で、ワークス研究所にてリーダーシップ開発、キャリア開発研究に従事. 2009年より現職。著書には『「働く」ことについての本当に大切なこと』、『「いい会社」とは何か』(講談社現代新書)、『日本型リーダーの研究』(日経ビジネス人文庫)などがある。

内容紹介

初めに「メキシコの漁師とビジネスマン」の寓話をもとに、理想的な働き方に関してディスカッションを行いました。漁師とビジネスマンのどちらのスタンスに賛成するか尋ねられたところ、参加者全体でおよそ一対一に分かれました。

漁師派からは、本人の現在の幸せを重視するべきだという意見や、ビジネスを始めると家族や友人との時間が減ってしまうという意見が出ました。一方でビジネスマン派からは、新たな事業を興し収入を増やすことで経済的リスクに備えることができるという意見や、ビジネスの拡大を目指す過程で様々な経験をし、多様な価値観に触れることで選択肢が広がるとの声が上がりました。さらに、働き方が多様化する現在においてどのように働けばよいのかという問いに対し、「幸せになること、その前に生き残ること」というお答えを頂きました。「幸せ」とは、過去を振り返っての満足、現在への充実、未来への希望のようにポジティブな感情で、満たされていることを指します。それに対し「生き残り」とは、外部環境に適応することです。他人との競争に勝ち生き残るためには、現在の快楽を我慢して将来のリスクに備える必要があります。往々にして相反するこの二つのスタンスをうまく統合させることが「働く」ことについて大切だと述べられました。

後半では「働くこと」と「幸福」の関係性を様々なデータや哲学者の発言をもとにみていきました。その中で、幸せに働くためには他者からの承認が重要であるというお話がでたことを受けて、テレワークに伴い職場での直接的な交流が減少することが幸福度に与える影響について意見を交換する場面もありました。その他にもテクノロジーの発展によるオートメーション化や長寿化に伴う定年後の生活の長期化にどのように対処していけばいいかなど、現代社会において「働く」ということに関する重要なトピックに関する様々なお話を伺うことができました。

(慶應義塾大学法学部3年 昼田 里紗)

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