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2013.10.31 KIP Forum 「日本の対外情報発信力」
高島肇久氏 日本国際放送前社長

10月フォーラム開催。今回はNHK論説委員長や、外務省外務報道官、(株)日本国際放送の社長などを務められた高島肇久様をお迎えした。テーマは、日本の対外情報発信力。日本は諸外国に対し十分な発信をしているか、またその発信力はいかなるものか、などについてお話しいただいた。

異なる文化背景を持った人々に対して、自らのメッセージを正確に受け取ってもらえるのだろうか。講演を通して感じたことは、情報を受信する側がまず耳を傾けてもらわなければならないという点である。そのためにも、情報発信をする際には、伝える場のルールや文化を尊重し従うことの重要性である。たとえば、講演で取り上げられたIOC総会の場においては、謙虚なプレゼンは大きなプラスを生むとはいえない。なぜなら、IOCで共有されているルールや文化とは、ヨーロッパ的な価値観が中心となっているためである。そのため、ボディランゲージを使い活発で堂々としたスピーチが求められている。また、使用する言語についても挙げられる。IOC総会では、英語に加えて仏語のプレゼンに効果があった。それは、聞き手に対し、発信者の思いが直接伝わるからであろう。言葉の得手不得手が問題となるのではない。言葉を通して、自らの思いを伝えようとする気持ちがあれば、受けては身を乗り出して親身に聞いてくれるだろう。

そのうえで対外とは、必ずしも外国人に対する発信に限らないといえる。日本国内においても、上記に関するルールの認識は必要とされるためである。欧米に比べると、日本国内では謙虚さが大事にされていると考えられている。にもかかわらず、なりふり構わずに謙虚さを捨ててプレゼンをすることは、場合によっては聴衆の反感を買ってしまうだろう。そのため、それゆえ日本においては、謙虚さを重んじる情報発信がいまでも重視されていることを忘れてはならない。(中道洋司)

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