2022年KIP地域研修報告【山形研修】

5月3日から5日までの3日間、2022年度の地域研修として山形県天童市と酒田市を訪れた。1日目は、天童フルーツを若者にギフトとして広げる施策を提案した。その後、出羽桜酒造社長の講演で日本酒に隠された日本らしさを学び、酒蔵も見学した。2日目は、出羽桜美術館や羽黒山五重塔を散策した後、酒田市の北前船の歴史を学んだ。また、食のサステイナビリティから見た酒田の魅力と課題をテーマにプレゼンをし、食のエキスパートや酒田市内の高校生と意見交換を行った。3日目は、山居倉庫、本間家旧本邸、本間美術館など酒田市内の歴史的名所を訪れ、相馬楼にて舞妓をどりを鑑賞し、酒田市の歴史と文化に触れることができた。 

【研修スケジュール】

5月3日(火) 天童市プレゼンテーション、現地高校生との意見交換会、出羽桜酒造訪問
5月4日(水) 出羽桜美術館訪問、羽黒山訪問、酒田市プレゼンテーション、現地高校生との討論会
5月5日(木) 山居倉庫、本間家旧本邸、本間美術館、海向寺訪問

【天童市プレゼンテーション】

研修1日目に天童市経済部農林課の職員さんに向けて「農作物のサステイナビリティ」というテーマでアイディアをプレゼンし、若者が果物離れという課題に対して天童フルーツを若者にギフトとして広める施策の提案を行なった。さらに提案を踏まえて現地の高校生の視点から意見や天童市における農業との関わりについて意見をもらった。

【出羽桜酒造】

午後には山形県天童市を拠点におく日本酒メーカーの出羽桜酒造を訪問した。現地では、酒造の蔵を見学させていただいたことに加えて、出羽桜酒造株式会社代表取締役社長、仲野氏にご協力いただき、天童ホテルでの「誇るべき日本の酒造り」というテーマでのご講話、その後の出羽桜酒造工場での詳しい説明を通して、日本酒造りにおける重要な点や強み、現状の課題などについて伺った。

【羽黒山、五重塔訪問】

天童市と酒田市への道中において、出羽三山の一つ、羽黒山の五重塔を見学した。五重塔は、平将門が10世紀に建立したとされており、現在の塔は14世紀・南北朝時代の再建版とのことだ。柱や屋根は全て杉か欅でできていて、木材の繋ぎ目にも金属を使わず、塗料も塗っていない木肌が何百年も残り続けてきたものである。長い階段を下り、たくさんの杉の木に囲まれた中に聳え立つ五重塔を見学した。

【酒田市学生討論会】

研修2日目には酒田市での学生討論会では、KIPのメンバーと酒田南高校、酒田東高校の学生が酒田の「食文化」について率直な議論を交わした。本討論会は、「食文化のサステイナビリティから見た酒田の魅力と課題」と題したKIPによるプレゼンを受けて、酒田の高校生たちが地域の食文化について抱いた想いや考えを掘り下げる目的で実施された。
「酒田の食文化を持続可能にするために若者にできること」という題名の下、まずはKIPメンバーから「地元の料理を食べていると感じることはありますか?」といった身近な話題を提示したが、これに対し高校生からは様々な反応が返って来た。自身の家庭が農業を営み、米の生産・野菜の売買などを身近に感じている生徒や行事の度に家族の人伝統的な料理を作る生徒もいた一方、「酒田の食」を普段から作らなかったり意識していなかったりする生徒もいた。続いて、酒田の食文化の「魅力」や「強み」については、各生徒から自信溢れる意見が寄せられた。ラーメンやお米、海産物などの知名度の高い食産物はKIPのプレゼンでも取り上げた所ではある一方で、高校生からは山形青菜や納豆汁などの聞きなれない食材・料理も紹介され、この点においても「生の声」を聞く重要性が再確認できた。

【山居倉庫・本間美術館】

3日目の午前中には山居倉庫を訪問した。ここでは、山形県酒田市で取れる米を貯蔵しておき、北前船が停留している際に酒田市外から持ち込まれた商品をおろし、酒田市の米を積んで出向していくという経済が行われていた。この米を保存するために作られたものが山居倉庫であり、現在も実用されているものである。
さらに、北前船による酒田市の経済の活性化に貢献した承認の本間家の旧本邸と美術館を訪れた。経済の活性化に寄与しただけでなく、得た富を地域住人に還元していった姿勢からも地域の人に慕われている存在であった。

戻る