オーストラリア研修おススメ書籍紹介 第一弾 毛受敏浩著『限界国家:人口減少で日本が迫れる最終選択』
限界集落という言葉を聞いたことがありますか?人口減少が深刻化し、地域社会の維持が困難になった集落のことを指しますが、2050年には全国の6割以上の地域で、2010年の半分以下の人口になると言われています。毛受氏は、この現状を「日本列島全体が、『限界国家』になる危機を迎えている」と表現しました。そして、「移民を受け入れる」という最終選択をするべきだとし、次のように主張を展開しています。
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外国人犯罪数の上昇・社会保障費負担の上昇・日本人の雇用減少への懸念や、それに対する日本人労働力の活用・縮小国家実現・生産性の向上の可能性は、たしかに考えられます。しかし、実際に外国人による犯罪数は増加しておらず、定住外国人を受け入れることでむしろ年金制度にプラスの効果があります。また、日本人労働力のみでは人口減少を補うことはできず、日本のあらゆる産業が衰退せずに、自国の文化を守り、生活の質を担保するためには、定住外国人を受け入れるしかないとしています。
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外国人を受け入れる体制ができてないのではないかという声に対し、自治体側には実際に受け入れする準備ができているとし、日本人や日本生活に対する外国人住民の評価は実際に高く、欧州で頻発しているような宗教問題も少ないことから、日本は外国人受け入れに成功しているとも述べています。
以上の二点、つまり定住外国人の必要性の明言と、日本は外国人受け入れに成功しているという考えは、どちらも人口問題を研究している私たちにとっては衝撃的でした。そこで、自治体レベルの受け入れの実情を、人口減少が著しい地方に重点をおいて調査し、日本人・外国人両者にとって望ましい外国人の受け入れの仕方を探っています。もちろん定住外国人も大きな選択肢の一つですが、将来の日本社会を生きる者の責務として、私たち若者にできること・すべきことを考え、実行していきたいと考えています。また、本テーマにご興味のある方は、ぜひKIPまでお問い合わせください。
(慶応義塾大学法学部 鐏 京香)