アラムナイの視点 第一弾

初めまして、この度アラムナイとして寄稿させていただきます、戸井田 洪と申します。私は大学3年生の時にKIPに参加し、少子高齢化を研究テーマとしたアジア研修プログラムに参加いたしました。そして2018年9月に大学を卒業し、現在は社会人1年目として働いております。この寄稿ではKIPで少子高齢化を学ぶ意義について、私の考えを皆様に共有できればと思います。

(1) 少子高齢化を学び、国際人として活躍する
KIPでは、「知日派国際人」という言葉がしばしば標榜されます。世界を舞台に活躍する国際人となる為に、なぜ日本の問題を知らなければならないのか。私は社会人になってから、それが課題先進国である日本がこれまで国際社会に貢献してきた方法だからだと考えるようになりました。
少子高齢化は日本固有の現象ではなく、やがて多くの国で起こる現象と言われています。その中で日本はいち早く少子高齢化に直面した国であり、日本では問題解決に向けて試行錯誤が繰り返されてきました。そしてその過程で培われた技術や産業が、同様の問題を抱える国でも利用されています。私が仕事で関わりのあるインドネシアにも多くの日系企業が進出しており、日本の技術がインドネシアの発展を支えてきたことを強く感じます。日本が自国の発展の為に培ってきたノウハウが他国の発展に役立っているのです。私にとって、これこそが「知日派国際人」となる意義であり、またKIPでの少子高齢化研究は私が同じように世界に貢献していく為のヒントだったのだと感じています。
現在日本で議論されている社会保障制度や地方創生は、深刻な少子高齢化を抱える日本だからこそ取り組んでいるテーマであり、これから同様の問題に直面する他国にも転用可能なノウハウであるはずです。例えば高齢化の進む日本の地方都市において、乗合バスなど移動の不便を解消する取り組みが始まっていますが、この取り組みが何らかの形でジャカルタの渋滞解決に役立つ、ということは十分に考えられます。日本の少子高齢化について見識を深め、それを海外に行って発信し、他国の発展を支えていく。これは私の考える「知日派国際人」の1つの形であり、少子高齢化を学ぶことはその第一歩であったと言えます。

(2) KIPの談論風発な環境
KIPは、異なる環境で学ぶ学生同士で、時には社会人を交えて議論することで視野を広げることのできる場所だと思います。研修では、海外でご活躍の企業の方やKIPアラムナイ、大学教授からも少子高齢化についてのお話を伺うことができ、自分では想像もしなかったような少子高齢化の影響や問題解決のアプローチを知ることができました。
このように様々な社会人の方にお会いできることはKIPの大きな魅力であり、斯様なKIPでの活動は、自分の将来を考える上で非常に役立ったと感じています。私は実際、アジア研修中にKIPアラムナイの方にお会いし、その方の仕事の面白さと社会的意義の大きさに魅了され、それがきっかけとなって今の進路を選びました。KIPには自分の知らない世界を見せてくださる方との出会いがあり、自分の将来を考える上で色々な選択肢を持ちたい!という学生の方には自信を持ってオススメできる場所だと言えます。

少々長くなってしまいましたが、KIPで少子高齢化について取り組んだ経験は間違いなくその後の人生に活きていると感じます。これを読んでくださった皆様が今一度KIPで学ぶ意義について考え、多くのことを吸収して将来の日本を背負っていく存在となりますことを願っております。
(慶應義塾大学法学部卒 戸井田 洪)

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