2024.5.25 5月フォーラム 「我が国の『自由で開かれたインド太平洋』政策」

講師:四方敬之内閣広報官

略歴

京都大学法学部卒業後、昭和61年4月に外務省入省以来、北米局北米第二課長、国際法局経済条約課長、内閣副広報官、在英国日本国大使館政務公使、大臣官房人事課長、在中華人民共和国日本国大使館在勤特命全権公使、在アメリカ合衆国日本国大使館公使、経済局長を歴任された後に、2021年10月から2024年7月まで、内閣広報官として活躍。 ハーバード大学ケネディ行政大学院修士(MPP)。Public Affairs Asiaの「The Gold Standard Award for Political Communications 2011」受賞。

【スピーチと質疑応答】

スピーカーから日本の外交安全保障政策について、インド太平洋地域、特にASEAN加盟国との関わりを中心に具体的な取り組み状況をお話をいただいた。また、日米同盟の深化や日米間の経済、学術面での連携の強化についてもお話いただいた。

【全体討論】

「日本が『自由で開かれたインド太平洋政策』を実現するために、どのようなプロジェクトを総理大臣に提案するか」というテーマのもと討論を行なった。 日本で働く外国人労働者を大幅に増やすことに好意的でない意見があることから、日本から外国に日本人を派遣し、共同研究など技術面で交流をするといった意見や、インド太平洋地域、東アジア地域でのAI活用を促進するための枠組みやルールメイキングを主導する、気候変動や公衆衛生など日本が競争力のある分野での互恵的な技術提供と言った意見が出た。 AIに関しては、サイバーセキュリティなど安全保障にも関わってくる分野であり、機密情報の取り扱いを不安視する声や日本のデジタル分野の技術に優位性があるのか、海外派遣については日本国内で人口減少が問題になっているがさらに海外に流出していいのかといった疑問が提起された。 それに対し、セキュリティークリアランスのように情報を扱える人を絞ることや、日本人の移民に対する意識を変えることが、外国人労働者の円滑な受け入れに役立つのではといった意見が飛び交った。 日本人の「移民」という言葉への抵抗感に対する問題意識も生まれ、活発な議論になった。

【全体私感】

今回のフォーラムを通して、今まで個々のニュースなど断片的に情報を得ていた日本の外交安全保障政策に関して幅広い知見を得られ大変勉強になった。 討論では、私は海外への技術協力の拡大などすでに行われている取り組みをアイデアとして考えていたが、他の人の新規性のある意見を聞き、もっと柔軟に考える必要性を感じた。今回の討論は賛成か反対かのような選択肢のあるテーマでなかったため、それぞれの関心分野の知識に基づいた幅広い意見が提示され、興味深く思った。末筆ながらお忙しい中貴重なお話を頂いたスピーカーに改めて感謝したい。

武蔵野美術大学造形学部1年 松本楓

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