2013.8.6 KIP Forum "Step to Glocalization Project: Discussion with American Students"
8月フォーラム開催。今回はYaleとDartmouthの大学生とともに現在進行中のグローカリゼーションプロジェクトの一環として、日本とアメリカでの「地」に対する言葉の認識を比較し、「地方」の活性化に向けた理想的な方法について議論しました。
前半では日本人グループと米国人グループに分かれ、「地」という言葉から連想されるものをそれぞれのグループ内で挙げていきました。そこから見えた違いの一つはアメリカ人の場合「地」という言葉に対して大都会から田舎まで幅広いイメージを持つ一方、日本人の場合「地方」など、都会とは離れた場所を連想することです。大きく共通していた点はやはり自分達が思い浮かべる「地」に対する強い所属意識でした。さらに両国の学生を交えた4グループに分かれ、この違いについてグループ内で掘り下げて行きました。興味深かったことはアメリカ人の場合自分達が思い描く「地」に対して全員が大変強いプライドを持っていることです。彼らがイメージする「地」とは、自分の生まれ故郷ないし地元であるからという単純な理由ではなく、その「地」が自分達を定義付けるものであるという理由から彼らのアイデンティティに対する意識の強さを感じました。
後半では同じグループ内で地方の活性化に向けた理想的な方法を話し合いました。どのグループも地方の特性を保つという点では共通していましたが具体的な方法としては多種多様な意見が挙がりました。地方独自の伝統産業、特産物、観光地のPRによって土地のブランディングを促進し人口の流動性や経済の安定を図るという意見が主にありました。学生と関連深い内容として、教育による“globalization without urbanization”という意見が出ました。その方法とは地方に大学を建設し、多くの若者を呼び込むことで様々なバックグラウンドを持つ彼らと現地の学生や地元の人々との交流を促進し、グローバルマインドを構築させるというものでした。これはDartmouth大学があるハノーバー市のような「カレッジタウン」(大学が地元を定義付ける町)と関連した貴重な意見だと感じました。 (中 太一)