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2013.11.21 KIP Forum「宇宙にぎゅっと詰まった謎の粒子: Higgs」
村山斉教授 東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構 機構長

11月フォーラム開催。素粒子物理学者の村山教授をお迎えし、「わたしたちはどこから来たのか」というテーマの下、原子や素粒子、暗黒物質について、そして最近話題になったヒッグス粒子の話も交えながら素粒子物理学が追い求める最新の"世界の成り立ち"についてご講演いただきました。

はじめに重金属元素の起源としての恒星とそこでの反応である核融合反応の話、そこで生まれる陽電子やニュートリノ、恒星の集団である銀河の引力を担うダークマター、そして新しく観測されたヒッグス粒子と、身近な話題からスタートしてどんどんとミクロの世界の奥地へと踏み込んでいく過程はまさに心躍るものでした。物理に興味のある学生はもちろん、これまであまり知識のなかった学生にとっても分かりやすく、科学への興味が沸いたという感想が多く寄せられました。

特に一理系学生、それも今後科学と社会との橋渡しの役割を担う可能性が高い私にとって、今回のレクチャーはとても示唆的であったように思われます。村山先生はそのお話の中で非常に多様な比喩やジョークを用いられており、それらが本来ならば難解な話題に明快なイメージと軽快なテンポを付け加えていました。専門的な言葉で事実をそのまま語るのでもなく、かといって本質を損なってしまうのでもなく、そうしたサイエンスコミュニケーションの本質はやはり聴衆を理解し、何を優先して伝えるべきなのかを考えた上で話すということが必要なのでしょう。講義後のディスカッションでは「科学予算を誰が、どのように配分すべきか」という議題について話し合いましたが、そこでもやはり科学に携わる人間がいかに自分たちの研究を社会へ発信するか、ということの重要性が浮かび上がっていました。(遠藤彰)

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