2012.11.10開催「国力を測る」
西沢利郎氏 (株)国際協力銀行 外国審査部部長

10月フォーラム開催。「国力を測る」というテーマのもと、現在国際協力銀行(JBIC)の外国審査部長としてご活躍されている西沢利郎氏をお招きし、ご自身の人生談も交えた幅広いお話に加え、今後の日本の国力について議論をしました。

今回スピーカーをして頂いた西沢利郎氏は大学院を卒業後、当時の日本輸出入銀行(現JBIC)に入行され、その後外務省経済協力局国際機構課、国際通貨基金(IMF)政策企画審査局、国際復興開発銀行(世界銀行)民間セクター開発局などへの出向を経て、国際協力銀行(JBIC)に戻られ現在に至っています。
お話は主に国力は果たしては測れるのか、またその源にあるものは何かという内容でした。西沢氏は国力をGDPなどの数字で表すことはある一定の指標としては有効であるが、それには限界があり、数字以外でどのように測ることができるのであろうかと疑問を投げかけられました。正確な答えはないが、国に対する信用力が大きな要因ではないかとのことでした。信用力とは単純に債務を履行できるかということだけではなく、国の長年の歴史によって形成される信頼関係であると述べられていました。

当日のディスカッションでは「日本の国力をのばすためには何ができるか」という議題で話し合いました。私の意見は、国力をのばす前提として、国力をつけるには国際社会での存在の大きさが必要不可欠であると考えました。そしてその存在を保つためにまず不信感やさまざまな問題を抱える教育や政治制度を改善し安定させることで、後に経済にも影響を与えていくと考えました。国の土台となる要素の改善を後回しにするのではなく、長期的な筋道を立て実行していくことが今の日本には必要だと思います。

また私は西沢氏の人生談のお話で出てきた、嫌いなことでも自分の都合の良いように考え行動してみることで得られることがたくさんあるということが印象的でした。確かに自分の道をはっきり決めてそれに向かって行動することは重要ですが、一方でそれ以外のものにも真剣に取り組むことで何か得ることがあります。ぜひこのような考えを大切にしていきたいと思いました。
このたびはたいへん有意義な講義をありがとうございました。(伊関良平)

戻る