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2015 KIPプロジェクト「地域研修から学ぶ地域の現状と課題」

KIPは様々な場所に赴き、現地の方々や学生との交流を通して問題点など話し合うというプロジェクトを、活動のひとつとしています。そこで留まることなく多くの場合、その研修結果を持って、海外の学生たちとそれらの共通テーマについてプレゼンを経て討論会を行い、各訪問大学の学生の意見を参考にし、その年の研修結果をシンポジウムで発表したり、刊行物にまとめるといった、一つ一つの活動は単発かもしれませんが、一貫したプロジェクトとしているのが特徴のひとつです。
今年は「地域研修から学ぶ地域の現状と課題」というテーマを扱いましたが、まずは第1部として2014年5月から行われた地域研修の報告を、第2部では2015年2月18日より行われるアメリカ研修を紹介いたします。

第1部はこちら
第2部はこちら



第一部 2014年KIP地域研修報告

KIPの掲げる理念である「知日派の国際人」を育成するために、日本について学ぶ―地方の現状と課題を学び学生として日本の将来のために地方活性化を考える事―を目的のひとつとして行われているものです。 この地方研修は企画、訪問先地域の関係者との交渉、運営まで一貫して学生が主体となって行うため、学生は主体性や実行力、リーダーシップを育成していくことが期待できます。

ここでは2014年に行われた4地域研修を報告します。

五ケ瀬研修(宮崎県)
南三陸研修(宮城県)
南魚沼研修(新潟県)
中津川研修(岐阜県)


<五ケ瀬研修(宮崎県)>

5月30日、31日、6月1日の三日間、KIP学生メンバー8人、KIP卒業生社会人メンバー(以下アラムナイ)3人、そしてアメリカからの研修生12人で、宮崎県の北西部、熊本県との県境に位置する五ヶ瀬町を訪れました。五ヶ瀬町は農林業が中心であり、少子高齢化・過疎化が大きく進んでいます。しかしそんな中で同町にある五ヶ瀬中等教育学校では、自然の中で地域住民と密に関わる少人数教育をおこなっています。昨年に続き二度目の五ケ瀬研修となった今回、地元高校生との討論会や町民の方のお宅へのホームステイ等を行い古くから残る自然と文化に触れ、地域活性化について考えてきました。

【研修スケジュール】

5/30(金) ・阿蘇観光 ・保育所訪問 ・夜神楽鑑賞
5/31(土) ・五ヶ瀬中等教育学校訪問 ・わらじ作り体験 ・高校生との討論会 ・ホームステイ
6/1(日) ・天岩戸神社訪問

【写真】


-高千穂夜神楽鑑賞-
高千穂町で国の重要無形文化財に指定された夜神楽鑑賞


-わらじ作り-
年に一度わらじ作り体験を行っている五ヶ瀬中等教育
学校を訪問し高校生にわらじ作りを教わる


-高校生との討論会-
五ヶ瀬中等教育学校の学生と「森林地域における環境保護は地域活性化・経済発展を鈍化させるか」というテーマで討論会を実施


-天岩戸神社訪問-
五ヶ瀬中等教育学校の学生に案内してもらい、高千穂夜神楽の舞台と言われる天岩戸神社を訪問


<南三陸研修(宮城県)>

9月13・14・15日の三日間を通じてKIPメンバー10名、KIP岐阜メンバー12名、カウンターパートである東北大学の学生4名が、宮城県南三陸町を訪問しました。KIPは東日本大震災の翌年の2012年から南三陸町を中心に毎年東北の地を訪問しており、今回で3度目の東北の地はKIPにとって結びつきの深い場所となっています。2014年の南三陸研修では、震災について見聞をより広め、南三陸の文化や魅力、特色を知り、現地の人たちとの座談会や討論会を通じて、学生にできる地域活性化について考えることを目的に活動を行ってきました。

【研修スケジュール】

日程:9/13(土)、14(日)、9/15(月)
内容:見学・・・語り部さんと被災地見学; 伊里前小学校付近を見学
講演・・・1.復興支援部会長 小野寺氏
2.アワビ水産工場常務取締役 高橋氏
3.仮設住宅自治会長 畠山氏
座談会・・1.歌津漁業組合青年漁師の方々
2.仮設住宅に住むシニアの方々とお茶っこ会
討論会・・各方面からの学生たち

【写真】


伊里前小学校付近を見学


-歌津漁業組合の方との座談会-
漁業における震災後の復興過程、これからの南三陸の漁業について議論を交わす。


-マルヤ五洋水産訪問-
アワビ蓄養所経営者高橋氏より震災後の復旧状況や南三陸の漁業の将来についてお話を伺う。
美味しいアワビの試食に感謝!


-仮設住宅に住む方々とお茶っこ会-
仮設住宅に住む「爺ちゃん、婆ちゃん」とお菓子を食べながらの楽しいひと時を過ごす。


-仮設住宅自治会長 畠山氏による現況報告-
震災直後から現在に至るまでの仮設住宅の状況と今後の復興の見通しについて伺う。


<南魚沼研修(新潟県)>

10月4・5日、南魚沼市の主催する「八海山麓自然体験樂校」の中の農業体験交流イベントに招待され、我々KIPメンバー11人は新潟県の南魚沼市を訪問しました。「八海山麓自然体験樂校」は毎年南魚沼市が行っているプログラムであり、過疎村・旧東村を活性化させることを目的としています。今回のイベントにはKIPの他に国際大学や明治大学の学生も参加し、一緒に農業体験・討論会を行いました。

【研修スケジュール】

10/4(土) ・「はざかけ」場づくり ・「井戸端会議」(座談会、討論会) ・地域の課題について懇談
10/5(日) ・稲刈り体験 ・モンゴル馬頭琴コンサート ・懇親会(和食郷土料理とモンゴル料理のコラボ)

【写真】


-稲刈り体験-
農家の方、および明治大学・国際大学の学生と共に、昔ながらの方法での稲刈りを体験。


-きりざい丼食事会-
稲刈りの終わった後、魚沼地方の郷土料理である「きりざい丼」を振る舞って頂く。おいしかった!


-地元の方との座談会「井戸端会議」-
現地の南魚沼市に住む市役所や企業に勤めている方・農家の方・大学生と、南魚沼市の地域活性化について討論。


<中津川研修(岐阜県)>

国内地域研修第4回目は11月22、23、24日に岐阜県中津川市で行いました。総勢26名のKIPとKIP岐阜の学生は中山道宿場町の一つである馬籠宿に宿泊すること、中津川歴史資料館や酒游館を訪問することで歴史的、文化的側面を学びました。また、それとともに中津川市にお住まいの方々との座談会や江戸時代末から代々受け継がれているお宿のご主人の講演など、地元の方々の生の声を聞き、それを踏まえて討論会をすることで、未来の高速鉄道であるリニア新幹線による地域活性化について考えてきました。

【スケジュール】

日程:11/22(土)、23(日)、24(月)
内容:見学・視察・・・中央新幹線中間駅建設予定地 美乃坂本駅の視察
・酒游館訪問
・中山道宿場町 馬籠宿にて明かり街道
・中山道宿場町 妻籠宿(長野県)
講演:・民宿、白木屋ご主人による「観光視点から見た民宿ビジネスの今後」
・丸山中津川商工会議所会頭による高速鉄道による中津川の発展について
・中山道歴史資料館訪問し、安藤館長による中津川の歴史
座談会:地元中津川住民の方々
討論会:各方面からの学生たち「中津川に人を呼ぶには、どのような街づくりをすればよいか」

【写真】


-中津川歴史資料館訪問-
歴史資料館館長安藤氏の講演。大奥の一行が泊まりに来た際にそのお礼として届けられた手紙や、贈り物など貴重な品を見る。


-酒遊館訪問-
地元恵那山の水を使った地酒の酒蔵を訪問


中央新幹線開通予定地で現在生活している纐纈氏と林氏と議論を交わす


-馬籠宿散策-


-中津川商工会議所-
中津川商工会議所丸山会頭 中央新幹線と中津川市の未来産業について語る。



第二部 2015年KIPアメリカ研修現況報告と予定

公募生と従来のKIPメンバーを含む計14名のアメリカ研修参加者とアンケートや刊行物、シンポジウムなどのプロジェクトメンバーを合わせた総勢19名のメンバーでプロジェクト「地域研修から学ぶ地域の現状と課題」が10月よりスタートしました。


<予定討論内容>

先述の通り、プロジェクトメンバーはプロジェクトを通じて学生にできる地域活性化とは何かを考え、今回のプロジェクトテーマに導かれた二つのディスカッショントピックを持って、アメリカの大学生と意見交換を行います。
そのアメリカ研修では現地でそれまでのわたしたちの活動、研究についてのプレゼンテーションを行うため、その内容について、東京さぬき倶楽部においてその中間報告が12月23日に行われ、どういったテーマを討論してくるのか、何故そのテーマを選ぶに至ったか、などこれらのトピックに至った経緯、わたしたちのこれまで活動、トピックに関する研究内容を発表しました。

今年のディスカッショントピックは以下の二つです。
1.日本・アメリカは外国人労働者を増やすべきか
2.高速鉄道はテキサスの経済発展に貢献するか

プロジェクトの活動は、プロジェクトテーマである地域活性化を定義するところから始め、約1000人の大学生アンケート結果から、地域活性化とは地域住民の活発さと地域の経済発展であるとしました。一見当たり前のようですが、大学生1000人アンケートからその確証を取ることは大切でした。
さらに、地域研修を通して個々の地域が人口減少という問題を抱えていることがわかり、アンケートと合わせて地域活性化のためには人の流入が不可欠であるという結論に達しました。ここから、労働力としての人と人の移動を活発にするための交通という観点から外国人労働者と高速鉄道をディスカッショントピックにすることになりました。


<アメリカ研修における学習内容と予定訪問箇所>

今年は大学1年生から大学院生まで総勢14名でアメリカの7大学に訪問し、現地の大学生と討論したり、各大学の先生方から講義をしていただいたり、企業訪問をしたりする予定です。

【内容】

大学教授陣によるKIP学生のための講義、聴講クラスへの参加、キャンパスツアー、討論会、懇親会、 大学関係者との昼食や夕食、ジャパンクラブなど日本関連クラブとの交流、企業訪問インタビュー、 領事館公邸訪問、各地域の美術館や歴史的モニュメント訪問等

【スケジュール】

2/18 出発 / George Bush Intercontinental Airport(ヒューストン) 到着
2/19-21 University of St. Thomas(ヒューストン)
2/22-25 Rice University(ヒューストン)
2/26-3/1 Yale University(ニューヘイブン)
3/2 Harvard University(ボストン)
3/3 Massachusetts Institute of Technology(ボストン)
3/4 Tufts(ボストン)
3/5 会社訪問(ボストン)
3/6 ボストンからサンフランシスコへ
3/7 Napa Valley
3/8 San Francisco 自由観光
3/9 企業訪問かNGO団体訪問 / Stanford University(サンフランシスコ)
3/10 San Francisco 出発
3/11 帰国

各大学ではアメリカの学生にキャンパスツアーをしていただきます。実際に見て回れるのは広大な敷地の一部でしかないかもしれませんが、日本の大学生にとって新鮮な体験になると思います。さらに、グループディスカッションや懇親会を通してアメリカの大学生と交流します。わたしたちが普段見えていない視点からの意見が得られることを期待しています。

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