KIP PJ 官邸訪問(2011.6.13) 文責:東京大学法学部4年 玉川絵里

 6月13日(月)、KIPプロジェクトで半年間かけて作成してきた国際化教育に関する提言を内閣府に提出するため、首相官邸を訪問しました。人生で初めての首相官邸にメンバー一同は緊張しきりでしたが、KIPが長らくお世話になってきた内閣府副広報官の四方様、そして今回「震災とメディア」についてお話し下さった下村内閣審議官のおかげで、非常に有意義な勉強をさせていただきました。

 長年TBSに勤めてこられた下村様からは、私たちの提言に鋭い指摘を頂くことができました。それは、「お金を出せば本当に学生は留学するのか?」というものです。下村様が例として出された「久和ひとみスカラシップ」は、子宮がんで亡くなったTBSキャスターの久和ひとみさんが35歳にして大学院留学という夢を果たし、留学に大きな影響を受けていたことから、「第二の久和ひとみを育てる」という目標で海外留学を目指す女性をサポートするために作られた奨学金制度でした。しかし、いざ奨学生を募集してみると思ったほと人が集まらず、下村様は「金銭面以外の社会的・文化的障壁」を実感されたそうです。

 確かに、私たち大学生にとっても、就職活動や卒業論文、学期区分などといった、留学、特に長期留学することの「社会的・文化的障壁」が存在します。こうした状態のまま政府に金銭的支援のみを求めても、留学を通した国際人材の育成は難しいでしょう。だからこそ、私たちの3つの提言(長期留学を促進するために、1.短期プログラムの充実 2.ポータルサイト 3.ギャップイヤー)で「ギャップイヤー」を取り上げ、就職活動などの時期的な障壁を取り除くことを提案していることを下村様にご説明しました。そして、ポータルサイトの活用によって、「外に出ることで日本を見る」という留学を実際に経験したことのある人にしか実感できない感覚を、留学未経験者に伝えていくことも重要となります。

 また、私たちの提言についての議論とは別に、震災とメディアについてのお話をしていただくことができました。ニュースは解答集ではなくあくまでも解法の手引きであるが、多くの視聴者はニュースに解答集を期待してしまうという下村様のお話には、私自身ニュースに「答え」を求めてしまっていることに気付かされました。

 今回の官邸訪問は、提言の提出にとどまらず、政府の中心に触れることができたと同時に、メディアリテラシーの大切さも学ぶことができ、大変貴重な機会となりました。

メディア

産経新聞2011年7月30日(土)一面コラムに活動内容が掲載されました。

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