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2018年11月 北京研修

11月9日~14日までの6日間、EXNEXTプロジェクトの一環として、7人のメンバーが中国の北京において清華大学、北京大学、中国人民大学の学生たちと討論会を行い、また介護施設や現地・日系企業訪問も行いました。今回の北京研修は、日中平和友好条約締結40周年記念文化交流行事の一環として行われたものです。

<討論会>

北京市内にある清華大学で、清華大学・北京大学などの学生、研究者とともに討論会を行いました。全体テーマ「新技術時代の世代間交流」のもとで、「IT化は世代間のコミュニケーションを希薄化させるか」、「高齢社会において求められる教育とは何か」という二つのトピックで討論を行いました。一人っ子政策の影響で、将来日本を上回るスピードで高齢化が進むと予想される中国で、日本で現在問題になっている高齢者と若者の分断について話し合いました。

討論会から学んだことは大きく分けて2つあリました。1つ目は、儒教の価値観が色濃く残る中国では、日本よりも家族内の繋がりは強く、現役世代も子供を祖父母のもとに預けるケースが多いために、世代間のコミュニケーションが希薄化している認識は日本ほど強くはないということ。もうひとつは、ITを使ったコミュニケーションに関して、中国では高齢者が積極的にSNSを利用し、家族や友人らとビデオ通話やボイスメッセージのやりとりを行っており、ITは世代間のコミュニケーションをむしろ活発化させる可能性があることでした。詳しくは3月に行われるシンポジウムにて当北京研修を含むExNextプロジェクトの研究発表としてお伝えしたいと思います。

<施設・企業訪問>

施設訪問では、国有の介護施設である北京国安養老産業投資管理有限公司と、在中国日本大使館、JETRO北京事務所、雄安新区、BOXFISHを訪問しました。国安養老は、四合院と呼ばれる中国の伝統的な建築を生かした都市型の介護施設で、中国政府の目指す介護施設のあり方を説明していただき、実際に施設を見学をすることによって理解できました。

日本大使館とJETROでは、高齢化の進む中国に対し、日本政府が多方面で協力を図り、日本企業も拡大するシルバー産業に参入している一方、価値観や制度の違いから日本の仕組みをそのまま輸出しようとして失敗する例も多いのではないかという話を伺うことが出来ました。

中国政府が2030年の完成を目指し、現在建設中の新都市である雄安新区では、未来都市と呼ばれるのにふさわしい電気自動車の駐車場設備や、最新技術がいたるところに見られるホテルなどを見学し、中国の目覚ましい発展のスピードを感じずにはいられませんでした。同様に、タブレットを利用した教育プログラムを提供している新興企業のBOXFISHでは、中国の先進的なIT技術と、莫大な投資マネーがどのように実を結んでいるかを目の当たりにし、話ではいろいろ聞いていたとは言え、百聞は一見に如かずを身をもって体験した研修でした。

<全体を通して>

研修の合間の短い時間でしたが、北京中心部にある故宮博物院と、清華大学近くにある頤和園を訪れることが出来、清朝時代の中国の国力を改めて感じました。

今回の研修では、高齢社会に対して若者が貢献することを目指すと同時に、現在の若者がシルバー社会に入る未来をどのような社会にしていきたいかなどを研究するEXNEXTプロジェクトの一環として行われました。日ごろ高齢化問題を考えるとき、環境問題などと比べるとドメスティックな問題として考えがちですが、欧州各国や今回訪れた中国を含め、高齢社会は世界共通の課題になりつつあることを今回の研修で確信しました。今後、日本が高齢社会における課題解決の先駆者として各国のリーダーになれるよう、自分たち若者も活動を続けて行きたいと強く感じました。

今回の研修を実施するにあたり、清華大学高齢社会研究所や在中国日本大使館をはじめ、パッカード理事長など多くの皆様にご協力いただきましたこと、改めて深く感謝申し上げます。

(嶋津 寛之)

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