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2019.6.22 「働き方関連法案と外国人労働者受け入れ問題」
日本労働弁護士団幹事長 棗一郎氏

棗一郎氏: 弁護士。旬報法律事務所所属。日本労働弁護団幹事長であり、また日本弁護士連合会労働法制委員会事務局次長。中央大学法学部卒業。 第二東京弁護士会所属。主な取扱分野は労働事件で残業・長時間労働問題、偽装請負・違法派遣問題など、その他多岐にわたる労働問題などを扱われている。

まずは、棗氏とアラムナイ会員による対談で、日本の労働問題について学びました。

前半は、外国人労働者を取り巻く労働環境の実態についてお話を伺いました。現在日本では、労働力が大幅に不足している分野において多くの外国人労働者を雇っていますが、低賃金、残業、家族の帯同禁止等、その労働条件は劣悪なものであることが多いといいます。棗氏は政府が対策として掲げる日本語教育の充実や相談所の全国的な設置等は評価しつつ、政策に関与可能な人材と予算の圧倒的な不足が深刻な問題となっており、日本在住外国人を生かした相談員の設置等、更なるサポートシステムの整備の必要性を訴えられました。

後半は主に安倍政権による働き方改革の概要とその課題についてのお話でした。働き方関連法案は残業時間の上限規制、有給取得、同一労働同一賃金、高度プロフェッショナル制度の大きく4つに分かれています。しかし、残業上限規制は過労死ラインと等しくむしろ残業の正当化に繋がりかねない事に加え、中小企業の意識改革の遅れ等を考え併せると、この法案は逃げ道があり改善が問われるとされていました。また、世界各国が「雇用によらない働き方」を推奨する中、日本が批准せずに高度プロフェッショナル制度によってむしろその差を助長させようとしている事に疑問を抱かれていました。

次に「働き方改革は本当に日本の経済振興に繋がるのか」というテーマでディスカッションを行いました。私の班のグループディスカッションでは、働き方改革はきちんと実行されたならば経済振興に繋がるというスタンスの元で、それに付随する格差などの問題とその解決方法について活発な議論が交わしました。

一方フロアディスカッションでは、改革により空いた時間でスキルを身に着けることができる、或いは生産性が向上するなどから働き方改革に賛成する班と、女性と高齢者の参入は効果がないという観点から反対する班に分かれました。また、残業の上限規制が生産性を向上させるという点については意見が分かれ、積極的な議論が行われました。

最後には全体のディスカッションを総評して、棗氏は次のように述べられました。「現在の法律の在り方では、抜け道が多く、本当の経済振興を目指すことは難しいでしょう。しかし、この法案が改善され、より良いものとなったならば、大企業に限らず中小企業を含めた幅広い企業が業務の在り方を検討する良いきっかけとなり、経済振興に繋がると期待できるでしょう。“公正なルールに基づく公正な競争“が行われることを目指してより良い法案の在り方を検討していくことが大切です。」

最後になりますが、ご多忙の中ご自身の経験を生かしてお話くださった棗一郎氏と、インタビュアーとして分かりやすく議論を進行してくださったアラムナイ会員の方に厚く感謝申し上げます。有難うございました。

(東京大学 理科二類 渡邉結奈)

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