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2018.10.20「日本の社会保障と自分の関わり方」
MS&ADインターリスク総研基礎研本部長補佐 深澤 良彦様

深澤良彦氏:千代田火災海上保険株式会社に入社後、ロンドンで勤務し、その後あいおい損害保険株式会社にて国際部アジア戦略室長、バンコクCEO、あいおい同和損害保険株式会社ヨーロッパにて副CEOを経るなど、計30年ほど海外で社会保障分野にてご活躍。MS&AD基礎研究所株式会社代表取締役社長を経て、現職に至ります。

最初に、深澤氏は日本での社会保障制度と私たちの関係についてお話くださいました。日本では国民年金と社会保険が強制加入となっており、皆保険制度がとられています。つまり年金は税金と同様と考えてよいとのことでした。

次に、実体験を踏まえて、公的年金の制度体系について、説明してくださりました。公的年金は3階構造になっており、勤務先が大手企業かベンチャー企業か、または民間サラリーマンか自営業者かなどによって各人の年金額が大きく変動するという話は印象的でした。さらに深澤様ご自身の年金給付額をお知りになったのがつい最近であるという話も交え、近年、外資企業からの圧力や会計制度の国際基準への合致の要求を背景に、企業年金が確定給付型から確定拠出型に転換することが多くなっており、運用の個人の責任が重くなってきていることもあり、必ず就職先の年金制度は調べるように、という有難いお言葉もいただきました。

続きまして、公的年金全体の資金の流れについて、詳細にご説明いただきました。お話の冒頭で、公的年金制度は将来的に危うくはない、と断言されました。その理由は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用する年金積立金の運用率は過去10年平均で+4%となっており、運用資産額は世界一であるからということでした。

ご講演の後に、「私的年金の促進のため、公的年金の負担を減らすべきか」をテーマにグループ討論を行いました。私的年金は富裕層にとっては良いが格差を助長するため、セーフティーネットという意味合いの強い公的年金を維持するという結論に至った班が多くありました。

最後に、深澤氏は、年金制度は経年とともに変化していくものであり、何回も学び理解し意見を持つことが大切であるというお言葉をいただきました。お忙しい中、興味深いご講演をありがとうございました。

(慶應義塾大学法学部政治学科 鐏 京香)

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